目次
1. バーグハンバーグバーグ

「おもしろい広告で話題化する」と謳うBHBのコーポレートサイトがリニューアル。FVには実際に手がけた広告コンテンツがランダムで次々と登場し、ページを開いた瞬間から「BHBとはどういう会社か」が体感できる構成になっています。説明するより、見せる。そのアプローチ自体に、BHBらしいセンスを感じます。
注目したいのは、サイト全体がとてもシンプルで、余計なものが何もないところ。「おもしろい広告」が得意な会社なのだから、もっと派手でもいいはずなのに、あえてストイックにシンプル。その潔さが逆に「自分たちのおもしろさはコンテンツで証明する」という自信のようにも映ります。シンプルな器に、おもしろさがぎゅっと詰まっています。
2. Favourite

Favouriteのコーポレートサイト。まず驚くのが、横長であるはずのウェブ実績が縦配置で並んでいること。実績と日頃のスケッチが同列に並び、Shuffleボタンを押すたびに順番がランダムに入れ替わります。RANDOM PLAYを押せば、ランダムな実績ページへ直接飛ぶことも。
Aboutには「手を動かすことによって考える」「先に作る」「ポップカルチャーの感覚で作る」といった言葉が並びます。試行錯誤することを大切にしているFavouriteにとって、実績もアイデアも機能も、サイト上のすべてが「試行錯誤のプロセスと集積」なのかもしれません。
制作:Tetsuro Shimura
3. 渡邊哲

映像ディレクター・フォトグラファー、渡邊哲さんのポートフォリオサイト。UNIQLO、Apple、Netflix、Pokémon、Vaundy、米津玄師……と、錚々たるクライアント・アーティストの名前が淡々と並ぶ実績リストに、まず圧倒されます。それでいて、サイト自体は徹底的にシンプル。そのギャップが、逆に目を引きます。
面白いのはフィルタリング機能。番号(No.)がふられているので、トータルでどれほどの仕事をしてきたかが一目でわかります。クライアント別にソートすれば、どんな企業やアーティストと仕事をしているのかも見えてくる。自分で試しながらポートフォリオを読み解いていく、そんな体験があります。
制作:中野 浩明、Keita Yamada
4. 絶滅危惧野菜を救え by SOLAMENT®

住友金属鉱山の素材テクノロジーSOLAMENT®を活用した在来野菜の継承プロジェクトのサイト。江戸時代から受け継がれてきた、スーパーには並ばない土地固有の野菜に「絶滅危惧」という言葉があるとは知りませんでした。
サイトを開くと、野菜とテクノロジーが合体したような表現が広がり、消えゆくものの儚さをも映し出しています。粒子が舞うような演出は、在来野菜の記憶に触れているようです。そこに生産者の言葉が重なり、宇宙ビッグデータを活用した栽培適地のマッチングマップが続くことで、「遠い話」ではなく「自分ごと」として伝わってくる。「表現」と「コンテンツ」が互いを引き立て合っています。
CREDITS
Client:住友金属鉱山株式会社
Agency:Droga5 Tokyo, part of Accenture Song
Production: 1→10,Inc., 株式会社天地人
Producer:森 江里香
Project Manager: 山屋 咲乃
Experience Planner:染谷 明美
Director:小野澤 慶
Art Director / Designer: 西澤 和樹
Designer:上野 澪, 坂能 光希
3DCG Designer: 高 睿, 西澤 和樹
Technical Director:藤原 義仁
Frontend Developer:森田 雄也, 長谷川 巧(unshift Inc.)
Backend Developer: 松井 朋毅
Writer: 川瀬 佐千子(freelance)
Video & Photographer: 西田 優太(freelance)
Camera Assistant:森本 涼太(freelance)
栽培適地調査:株式会社天地人
5. 八文字学園 70周年特設サイト

茨城県水戸市に5つの専門学校を持つ八文字学園の、創立70周年特設サイト。「ヒト・ミト・シゴト」というコンセプトのもと、歴史・インフォグラフィクス・卒業生インタビュー・教職員の声・ビジョンと、70年分のボリュームが一本のページに丁寧に積み上げられています。
そのなかで特に目を引くのが、各専門学校をモチーフにした5つのイラスト。注目したいのはこのイラストが、セクションをまたぐたびに役割を変えていくところです。FVではメインビジュアルとして全体を印象づけ、リード部ではコピーの補助として言葉を支え、ABOUTセクションでは各専門学校の詳細説明へと落とし込まれていく。同じイラストが抽象から具体へとシームレスに変化し、ミッションの表現がそのまま具体的なコンテンツへと接続されています。
Client: Yatsumonji-Gakuen incorporated educational institution
Producer: Tamami Maekawa
Developer:Serika Ikurumi
Director, Planner, Copy Writer: Pahyan Kitagawa (CHO-P inc.)
Art Director, Designer: Hirofumi Nakagawa(ANDMADE Inc.)
Interview Writer: Sakura Sugawara(freelance)
Illustrator: jintaro(vision track)
Photographer: Kenichi Aikawa(freelance)
6. パ・リーグ球団 仕事図鑑2026

転職サービスdodaとパ・リーグが共同制作した「パ・リーグ球団 仕事図鑑」。放映権ビジネス、スタジアムグルメの企画運営、スタジアムMC……グラウンドの外に17種類の仕事があるとは、言われてみれば知らなかった職種ばかりです。
縦型のページ内リンクで17職種がそれぞれ独立したコンテンツとして並び、興味のある職種からも、端から順に読んでいくこともできる。イラストや言葉、ビジュアルの力を借りながら、「知る」が自然と「働きたい」に変わっていくのを感じます。
発行
パーソルグループ
企画
パーソルキャリア / S SAUCE
プロジェクトマネージャー 時岡 あい(パーソルキャリア)
プロジェクトメンバー 岡本 浩輝(パーソルキャリア)
クリエイティブ監修 鎌田 慎也(S SAUCE)
制作進行 松野 陽介(S SAUCE)
アートディレクション&デザイン 半田 淳也(AND WHAT NOT design)
編集 大澤 佑介、黒木 愛美(RCKT/Rocket Company*)
イラストレーション YUNOSUKE、高城 琢郎
Web制作 芦澤 直孝、林 園子(パーソルキャリア)、犬飼 崇、吉田 愛華、竹辻󠄀 瑠菜(NEWTOWN)、上田 真緒、中井 優里(ADRIATIC)
7. HONKA RE:FRAME!

デジタルハリウッドの本科特待生制度による選抜クラスのサイト。CG/VFX・XR・UI/UXの専門を横断し、「意味を創造する力」を育てるプログラムを紹介しています。
面白いのは、学校のサイトでありながら学生や教員といった人の気配が一切ないこと。テクノロジーとクリエイティブの世界観に完全に振り切られており、それが逆に納得感があります。情報より体験に重きが置かれており、画面右下のマップ的なナビゲーションUIも含め、サイト自体がこの授業の雰囲気を体現しているようです。
Design and Develop: Kenta Toshikura(Garden Eight)
8. SEE/SAW

「心を奪う、髪になる。」をコンセプトに、髪の艶・透明感・動きからその人の印象まで美しく見せることを目指したLebelのヘアコスメシリーズ、SEE/SAWのブランドサイト。サロン専売品として展開するブランドらしく、サイトもビジュアルの質感にこだわった仕上がりです。
FVのUIが二列の縦型タイムラインになっており、それを操作することでメインエリアの写真が切り替わっていく見せ方が印象的です。ついあれこれ試してしまう、その操作そのものがブランド体験になっています。GALLERYでは次の写真が背後にうっすら透けて見える仕様で、先にデザインされていた紙の冊子の「透け」演出をウェブでも引き継いだものだそうで、媒体をまたいでも世界観が一貫しています。
Client:タカラベルモント
◎ビジュアル
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Art Director:松尾 幸治
Designer: 須藤 希和子
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Creative Director, Hair Make: 中澤 保人
Hair Make:宮地 恵子
Photographer: model: 中村 和孝/product: 岡部TOKYO
Cinematographer: 森滝 進
Stylist:飯田 珠緒
Model:Sarah Ferguson
◎グラフィックツール
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Art Director, Designer:松尾 幸治
Designer: 須藤 希和子
◎ムービー
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Director:仁科 思織
Video Editor:水上 大祐
◎ウェブサイト
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Art Director, Designer: 岡田 雄基
Designer: 松尾 幸治
Developer: 山﨑 陽聖
9. 専修大学松戸高校サッカー部

専修大学松戸高校サッカー部の公式サイト。黒いフィールドの上をカラフルな手書きのラインが走り、青春のエネルギーがそのままビジュアルになっています。「専松色にサッカーを彩れ。」というコピーを体現するような作りです。
画面はドラッグで上下左右に動かせる全画面設計で、サッカーグラウンドの広さと、まだ何者にでもなれる可能性の大きさをそのまま体感できます。俯瞰したとき、FVに配置された選手たちと各コンテンツとの関係性が見えてくるのも面白い。黒いキャンバスにカラフルな軌跡を描いていく、そんなサイトです。
制作:イソダハルタ
10. 4WIDE

数々の自主制作でSNSでも注目を集めてきたTomoya Okadaさんが「4WIDE」として独立。合わせてリリースされたコーポレートサイトです。
FVはブラック&グレーのトーンで始まり、以降のセクションに進むにつれて空気感が明るくなっていく。夜から朝へ移り変わるような流れが、サイト全体の心地よさを生んでいます。FVではマウスのインタラクションで視差効果を演出しながら、これまでの制作物がショーリール的に流れていきます。Showcase(自主制作)・Case(制作事例)・Lab(実験的制作)をたどっていくうちに、Okadaさんという人物が自然と見えてきます。
制作:Tomoya Okada
おわりです
2026年4月の気になるサイトまとめ、いかがでしたでしょうか。今月は、サイトを見ることがそのまま「知らなかったことへの発見」になった1ヶ月でした。在来野菜に絶滅危惧という言葉があること、プロ野球球団にこんなにも多様な仕事があること、などなど。デザインやウェブの文脈を超えて、世界を少し広げてもらえたような気がしています。次回は5月のサイトまとめ記事になります。だんだんと夏の気配が近づいてきましたが、みなさま体調に気をつけてお過ごしください。ではでは、また。iDIDメディア編集部でした。
