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相変わらずデザインが良き◎お笑い芸人のライブフライヤー15選!

iDID編集部
iDID編集部
2025.11.28

こんにちは、iDIDメディア編集部です。以前「デザインがかっこいい。お笑い芸人のライブポスター15選」の記事を公開してから2年。おかげさまでiDIDメディアの中でも特に読んでいただいた記事になりました。

しかし!その間にも芸人さんたちの新作ライブは日々行われており、ということはかっこいいフライヤーも増えていくわけです。編集部のお笑い好きメンバーらは「早く紹介したい…これも紹介したい…」とUZUZ、ついに爆発。ということで今回第二弾!を唐突にご紹介します。

今回も15選。それぞれのデザインに対して簡単な考察もしているので、お笑い芸人が好きな方も、デザインが好きな方もぜひ、ちらっと覗いてみてください。それではどうぞ!

1. エレキコミック

エレキコミック第34回発表会『す』(2024)
引用元:お笑いナタリー
エレキコミック第34回発表会『す』(2024)
引用元:お笑いナタリー
エレキコミック第26回発表会『金星!!』(2016)
引用元:お笑いナタリー

まず、エレキコミックの『す』ですが、このフライヤー、写真を加工したものだと思いますよね?実は違うんです。これはアーティストの目黒ケイさんが描いた人物画なんです。しかも写実的に描くばかりか、モザイクガラスのような加工の仕方まで写実的。二枚目の二匹並んだ犬も同様に目黒さんの仕業で、圧倒的な筆致で静かなインパクトを放っていますね。ちなみにこの犬ちゃんたちは、やついさんの愛犬「こぶし」と「こはだ」。
また、『金星!!』の宣伝イラストは浅野いにおさん。エレキコミックさんはイラストや漫画など、アートで文化的なフライヤーが多いですね。宣伝美術を担当した太田雄介さんは、エレキコミック関連のデザインを20年以上担当。やついさんとは高校の同級生なんだとか。(仲村)

エレキコミック『す』
宣伝美術:太田雄介
宣伝イラスト:目黒ケイ

エレキコミック『金星!!』
宣伝美術:太田雄介
宣伝イラスト:浅野いにお

2. 渡辺直美

渡辺直美コントライブ(2025)
引用元:お笑いナタリー
Stand Up with Naomi Watanabe(2024)
引用元:FANY Magazine
渡辺直美 (20) in 東京ドーム(2026)
引用元:PR TIMES

ニューヨークをはじめ、今やグローバルに活躍している渡辺直美さんの2024年から2026年にかけてのフライヤー。ビジュアル担当は、前回の記事で東京03のポスタービジュアルを担当していた吉田ユニさん。上から「ネイル」と「焼き鳥」、「髪」と「唇」、「東京ドーム」と「ケーキ」。吉田さんが得意とする視覚トリック的なアイディアが渡辺さんのビジュアルにハマっているだけではなく、渡辺さん自身の持つポテンシャルを存分に引き出し、新たな渡辺さんのイメージを作り出しているところにも注目です。(仲村)

『渡辺直美コントライブ』『Stand Up with Naomi Watanabe』『渡辺直美 (20) in 東京ドーム』
ビジュアル担当:吉田ユニ

3. ジャルジャル

『ファをぬかないで』(2025)
引用元:JALJAL TOWER
『ダダ・ダソ・ダソミアン』(2023)
引用元:FANY Magazine

前回に続いてジャルジャルです。彼らのフライヤーでは、コントの登場人物であるふたりをビジュアルの軸に、毎回不可思議でファニーな世界観をつくりあげています。『ファを抜かないで』はAYONDの佐々木俊さんのデザイン。増殖するジャルジャルと、迷子のようなテキストでとぼけた雰囲気が出ています。
『ダダ・ダソ・ダソミアン』では漫画家・美術家の横山裕一さんの漫画を使用。題字も書き下ろした横山さんの「オノマトペ」と世界観がジャルジャルのふたりを引っ張り上げています。ジャルジャルがまるで横山さんの漫画の登場人物みたいになってます!タイトルにもビジュアルにもふたりのセンスが抜群に発揮されているフライヤーだと思います。(仲村)

『ファを抜かないで』
Design: Shun SASAKI + Ryuji OKURA
Photo: Asami MINAMI

『ダダ・ダソ・ダソミアン』
題字・漫画:横山裕一

4. ラランド

『爆爆』(2024)
引用元:お笑いナタリー
『破!』(2025)
引用元:お笑いナタリー

こちらも前回に続いてラランド。ジャルジャルと同じくふたりを主体としたビジュアルなんですが、こちらは普段のラランドの姿ではなく「斬新なビジュアルイメージ」で「新しいラランド」を表現。この普段のラランドとの鮮やかなるギャップが、このフライヤーに惹きつけられてしまう大きな理由ではないでしょうか。『爆爆』のこのふたり、確実にどこかの漫画に出てくる悪役ですよね。どちらもデザインは、2023年の『冗談』に続いてアートディレクター、デザイナーのShimpei Umedaさんが担当しています。(仲村)

『爆爆』
Art director, Designer: Shimpei Umeda @shimpeiumeda
Producer: Daichi Tanaka (maxilla) @tnkdddd
Title designer: Hiyori Yamaguchi @hiyooriy
Photographer: Shota Ashino @srg_ashino
Photographer Assistant: Suguru Shigemune
Hair&Makeup: Yousuke Toyoda @toyodayousuke
Hair&Makeup Assistant: Moka Wada @mokahairmakeup
Special Thanks: Ruth Helen @ruth_helen__ , Natsumi Ushijima @usjm72mi

『破!』
Art director, Designer : Shimpei Umeda @shimpeiumeda
Producer : Daichi Tanaka (maxilla) @tnkdddd
Photographer : Shota Ashino @srg_ashino
Photographer Assistant : Kengo Hayashi
Retoucher : Ken Kawakami
Hair&Makeup : Yousuke Toyoda @toyodayousuke
Hair&Makeup Assistant : Ayano Kashiwada @kassy9010
Stylist : Airi Ishitsuka @a6655321
Stylist Assistant : Miku Tanaka @mkty__23
Nail Stylist : princess @princess.ota
Production Assistant : Moe Niitsu (maxilla) @korokoromoe

5. メトロンズ

METRONZ #1〜#10
引用元:メトロンズ特設サイト

メトロンズの公演フライヤーは、一枚一枚が派手というより、シリーズで並べてこそ“じわっと効いてくる”タイプのビジュアルです。毎回おなじみのロゴとタイポなので控えめに見えるのに、回を重ねるほど作品としての味わいが増していくんです。また、#2では演者不在、#7は横向き、#9以降は客演女優が加わったりと、写真の扱いを通じて作品世界がアップデートされていくのも面白い。どの回も“日常の少しズレた空気”を丁寧に写しとっていて、コント師が演劇をするという似て比なるものをうまくビジュアルに落とし込んでいる気がします。(OMIMU)

『METRONZ』#1〜#10
宣伝写真:ワタナベミカ
宣伝美術:加藤和博

6. コットン

コットン単独ライブ『dress』(2022)『ethnic』(2023)『flare』(2024)『glove』(2025)
引用元:FANY Magazine

メトロンズのように物語ごとに世界観を大胆に変えていくタイプもいれば、連続性の出し方がまったく違うコンビもいます。コットンの単独ライブのフライヤーはその代表で、『dress』『ethnic』『flare』『glove』と、どの回も公演タイトルのイメージが展開されていて、同じフォーマットの中にそれぞれの世界がきれいに収まっています。並べて見ることで、この流れがこの先も続いていくといいなと思わされます。(OMIMU)

『dress』『ethnic』『flare』『glove』
デザイン:ヘンミモリ

7. ハナコ

ハナコ第7回単独公演『はじめての感情』(2023)
引用元:MR_DESIGN
ハナコ第7回単独公演『はじめての感情』(2023)
引用元:MR_DESIGN
ハナコ第8回単独公演『そのうち』(2024)
引用元:お笑いナタリー

ハナコの場合は、やはり3人という編成と彼ら各々のビジュアルが印象的ということもあり、こちらも顔出しが基本ですね。『はじめての感情』ではビジュアルデザインをMR_DESIGNさんが担当。ハナコがHNK表記になっていたり、NHKのEテレ番組みたいな雰囲気がありますね。しかもこのビジュアル、全部で13種類あり、どれかひとつに限定されないアートディレクションが面白い。『そのうち』のアートディレクションは、コットンに続きこちらもヘンミモリさん。昔のFRUiTSの画像を見せながら衣装を考え、町中華で不思議な写真にしたのだとか。(仲村)

ハナコ第8回単独公演『そのうち』
アートディレクション、撮影デザイン、グッズデザイン、DVDデザイン:
ヘンミモリ

ハナコ第7回単独公演『はじめての感情』
creative direction and copywriting by SHIMPEI MIZUMOTO
art direction by KENJIRO SANO(MR_DESIGN)
art direction and graphic design by YUMI KATORI(MR_DESIGN)
photograph by ASAMI MINAMI
produce by MAMORU INAGAKI
production management by MAMI HIRANO

8. 佐藤光春

佐藤満春プロデュース公演『劇、佐藤満春 第0章』(2017)
引用元:お笑いナタリー
佐藤満春プロデュース公演『劇、佐藤満春 第1章』(2018)
引用元:お笑いナタリー
佐藤満春プロデュース公演『-即興-劇、佐藤満春2025』(2025)
引用元:K-PRO

お笑い芸人でありながら、放送作家、ラジオパーソナリティと複数の肩書きを持つ佐藤満春さんのプロデュース公演ポスタービジュアル。佐藤さんはこれらのライブの根底にあるものとして「何でもない普通の男が普通のことをする」というテーマを持っており、『劇、佐藤満春 第0章』『劇、佐藤満春 第1章』のポスターでは佐藤さん自身の顔のアップなんですが、なんと写真が逆さ。ちょっと変な、センス芸人的個性が垣間見えるところが印象に残ります。『-即興-劇、佐藤満春2025』ではイラストになってます。デザインは毎回トトトさんが担当しています。(仲村)

『劇、佐藤満春 第0章』『劇、佐藤満春 第1章』
AD,D:トトト
PH:YUTA AOKI

『-即興-劇、佐藤満春2025』
AD,D : Yohei Shinmura(トトト)

9. 岡野陽一

『岡野博覧会』(2022)
引用元:お笑いナタリー
『岡野博覧会』(2023)
引用元:お笑いナタリー
『岡野博覧会』(2025)
引用元:お笑いナタリー

岡野陽一さんの単独ライブフライヤーは、どれも“何かおかしい”気配が漂っていて、見ていると妙にソワソワしてきます。あえてカオスにつくられているのに破綻せず成立していて、配置や色、空気のつくり方そのものが、もう岡野さんの世界観なんだと思います。この世界観、癖になる、、、!(OMIMU)

『岡野博覧会 (2022)』
イラスト:ネルノダイズキ

10. 空気階段

第6回単独公演『無修正』(2023)
引用元:お笑いナタリー
第7回単独公演『ひかり』(2024)
引用元:お笑いナタリー
第8回単独公演『ダンス』(2025)
引用元:お笑いナタリー

岡野陽一さんの流れから、そのまま続けて触れたくなるのが空気階段です。関係性を知っている人には、なんとなく「この並びだよね」と伝わる気もします。これまでの空気階段の単独公演のフライヤーを並べて見ると、毎回違う表情をしているのに、不思議と同じ流れの中に収まって見えます。今回の3枚も、『無修正』はコメディの仕掛けがあって、『ひかり』はぐっと作品寄り、『ダンス』は躍動感と日常感が入り混じっていて、その振れ幅ごと眺めていたくなります。(OMIMU)

『無修正』
Photo, Design:土井敏生

11. 男性ブランコ

『だえーん!』(2025)
引用元:男性ブランコ特設サイト
『駐車場』(2024)
引用元:FANY Magazine
『嗚呼、けろけろ』(2023)
引用元:お笑いナタリー

男性ブランコのポスターはイラストレーターを起用したものが多いです。どのポスターも、男性ブランコのふたりを全面に押し出すというよりは俯瞰した「世界観」に重点を置いており、その世界観づくりをイラストレーターさんが担当することで、よりその世界観に深く引き込まれてしまう。そこが面白いですね。宣伝美術を担当している川名潤さんや、『嗚呼、けろけろ』で宣伝画を担当した網代幸介さんも、もともとは各公演の構成にかかわっている「ワクサカソウヘイさん」からのご紹介だったそう。(仲村)

『だえーん!』
宣伝画:津田周平
宣伝美術:川名潤
『駐車場』
宣伝イラストレーション:millitsuka
写真:齋藤葵
宣伝美術:川名潤
『嗚呼、けろけろ』
宣伝画:網代幸介
宣伝美術:川名潤

12. GAG

『GAGのお友達と1日公演』(2025)
引用元:大宮ラクーンよしもと劇場のX
『GAGのお友達と1日公演』(2025)
引用元:SUSHさんのX

前回の記事でもGAGをピックアップしましたが、『GAGのお友達と1日公演』のフライヤーは、前回とはまったく違う雰囲気です。SUSHさんのイラストで、芸人さんたちがずらりと並び、これまでのGAGの印象とはまた少し違って、この企画そのもののにぎやかさが前に出ている感じです。全員が等しく描かれているのも、この公演ならではの距離感だなと思います。(OMIMU)

イラスト:SUSH

13. 金の国

第3回単独ライブ『ぶー』(2025)
引用元:お笑いナタリー

前回はミニシアター系の映画ポスターのようだった金の国のフライヤー。今回の『ぶー』は少し趣が変わり、この先になにか続きがありそうな“途中の一瞬”をそっと切り取ったようなビジュアルになっています。正面から“見せる”前回に対して、今回は横から“のぞく”ような舞台っぽい距離感。そして今更ながらロゴがおふたりの名前モチーフなのも、さりげなくてかわいいポイントです。(OMIMU)

14. 落合りょう

落合りょう第二回単独ライブ『嘲笑と崇拝』(2025)
引用元:お笑いナタリー
落合りょう単独ライブ「発生」(2025)
引用元:お笑いナタリー

落合りょうさんは、もともとハガキ職人でもあったピン芸人。言葉や発想を考え続けてきた人らしく、単独ライブのフライヤーにも「落合さんの頭の中をちょっとのぞかせてもらった」ような感触があります。『発生』の新聞のような佇まいも、『嘲笑と崇拝』の鮮やかな色づかいも、その時々の気分がそのまま形になったようで、ついじっくり細部まで見てしまうんですよね。(OMIMU)

『嘲笑と崇拝』
デザイン:ヘンミモリ

15. カーネーション

THIS IS パン∞ホール初単独ライブ「超完成」(2024)
引用元:お笑いナタリー
第1回カーネーション単独ライブ『ジャコウナデシコ』(2025)
引用元:FANY Magazine

ボケとツッコミのキャラクターがはっきりした男女コンビのカーネーションは、以前はTHIS IS パンとして活動していました。THIS IS パン時代は、食パンの成分表を思わせるような実験的レイアウトで、名前そのものを視覚化。改名後はカーネーションを全面に押し出し、こちらも“名前”が主役になっています。どちらも本人たちが出てこないので、まずは名前を覚えてもらおう!そんな意思のようなものが垣間見えます。(OMIMU)

番外編:落語

進撃の会-東京2025(2025)
引用元:PR TIMES
天満天神繁昌亭 深夜寄席(2025)
引用元
左:三重野 龍さんのinstagram
右:天満天神繁昌亭

落語のフライヤーといえば、噺家さんの顔がどんと前に出るものが多い印象ですが、ここで挙げた2つはその真逆。人物を出さず、文字やモチーフだけでつくっているのが新鮮です。ビジュアルだけを見ると、伝統芸能というより現代アートやイベントのフライヤーのようです。伝統芸能でありながらこうした見せ方でも違和感がないところに、落語というジャンルの幅の広さみたいなものを勝手に感じています。(OMIMU)

『天満天神繁昌亭 深夜寄席』
デザイン:三重野 龍

おしまい

お笑い芸人ポスター第二弾、いかがでしたでしょうか。面白いのは、どのポスターもかっこいいだけではなく、彼ら彼女らの持っている「世界観」が引き出されているビジュアルが多いということと、そこには「芸人フォーカス(渡辺直美・ラランド)」、「芸人+世界観(ジャルジャル・空気階段)」、「世界観フォーカス(岡野陽一・カーネーション)」など、各々に表現のレイヤーがあることもわかりました。デザイナーさんやイラストレーターさんたちの表現にも注目したいところです。

さて、7月にリニューアルスタートしたこのメディアですが、記事数を増やすべく、今回のお笑い芸人フライヤーをはじめ、新しい記事をどかどかと増やしていけたらと思っております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、また。iDIDメディア編集部でした!

Credits

Text, Edit:仲村、OMIMU(iDIDメディア編集部)

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