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なぜ2つのコースを同時に受講するという「無謀な選択」をしたのか?
中村校長: まずは中本さん、自己紹介をお願いします。
中本: OVERA株式会社という東京のブランディング会社に所属している中本 順葉と申します。役職的にはアートディレクター兼デザイナーという形で普段仕事をしております。よろしくお願いします。
中村校長: よろしくお願いします。中本さんはStudio Design Award 2024でもiDID賞を受賞されていて、マスター側にいてもいいくらいの実力ですよね。そんな中本さんが、仕事をしながらこの2つを同時に受講しようと決めた、その背景や課題感から教えていただけますか?
中本:ありがとうございます。私自身は今、デザイナー歴8年目くらいなんですが、ある程度の安定したクオリティのものは作れるようになってきた一方で、「もっと自分の殻を破りたい」「社会的にも面白いと思ってもらえるものを、どうやったら作れるんだろう」という課題感をずっと持っていたんです。
そんなときにCREATIVE CLASSが始まると知って、「これはぜひ受けたい」と思ったのがきっかけでした。本当は全部のマスターのコースを受けたいくらいだったんですけど、中川さんと原さんがテーマにされていた内容が、自分の課題にもつながりそうだなと思って。こういう貴重な機会はなかなか無いと思ったので、ちょっと無理をしてでも、思い切って両方に応募しようと思いました。応募自体は無料なので(笑)。

中村校長: 中川さんのコースで受講が決まってたんですよ。それなのに、原さんのコースも応募してきたから「あれ? なんか間違ったのかな」と思って、僕「正気ですか?」ってDMを送っちゃいましたよね(笑)。
中本: DMいただきましたね。「覚悟の上でございます」というお返事をさせていただきました(笑)。
中村校長: 実際、仕事と両立して毎週セッションと課題がある状態をどうやりくりしていたんですか?
中本: 本業の方は平日にしっかりやっているんですけど、個人プロジェクトというか、副業的なものを土日に1人でやるというのを、何年か続けていたので。その分のリソースをいくつかCREATIVE CLASSの課題に充てた、という感じです。そういう自分の習慣のようなものがもともとあったので、これだったらいけるかなと思って、チャレンジしてみました。
原:でも、今後そういう人出ないと思うよ(笑)。
中本: やっぱり1個のコースに全力集中した方が身になるのかなとは思いつつ…(苦笑)
二人のマスターに共通する「オリジナリティ」と「やりきる」スタンス
中村校長: 中本さんがそれでも2つ同時に行こうと思った1番大きい理由は何だったんですか?
中本: 原さんと中川さんってお二人とも同じ会社に所属していらっしゃったという共通点がありながら、それぞれ独立したスタイルでも活躍されていて。時には一緒にお仕事をされている姿も拝見していたので、「どんなところで考えが共通していて、どんなところに違いがあるのか」「ご一緒される際にはどんな役割分担で制作していらっしゃるのか」がすごく気になっていたんです。
中村校長: ここで改めて、お二人のコースがどのような内容だったのか教えていただけますか。まずは中川さんからお願いします。
中川: はい。僕のコースは『「面白さの種」を見つけて咲かせる思考術』で、自分が過去に実制作で制作したブランドをあえて題材にして、その「リブランディング」を初期の提案や世界観作りから一緒に並走して考えていく、というものです。


中村校長: すでに中川さんが作られた完成形がある状態から、さらにリブランディングを仕掛けるという、まあまあ難問のコースでしたね。では原さん、お願いします。
原: 僕は『「キービジュアル大喜利」で磨く表現力と発想力』というコースです。基本はデザイナー向けのコースなのですが、中身は「大喜利」で、毎回お題が出るんですよ。例えば「大手グローバルブランドのサイトをリニューアルしちゃおう」といったお題に対して、いろんな表現やアイデアをバンバン試してもらう。それを何回か繰り返して、最終的にお題に沿ったサイトを作ってもらうという流れでやっていました。


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中村校長: 原さんと中川さんのコースを同時に受ける中で、違いや共通点は感じましたか?
中本: お二人に共通して感じたのは、クライアントの利益を見据えつつも、「アイデアのオリジナリティ」や「自分自身がやりきっているか」という部分をどちらも諦めずに泥臭く取り組まれている、というスタンスですね。
中村校長: なるほど。マスターたちのそのスタンスはどういうところで培われたものなんですか?
中川: 自分も若い頃、「やりきれなかった」みたいな、結構悔しい思いをしてるんですよね。納品した後に「あ、ここやっぱもっとこういう風にしとけばよかったな、ここもっと粘れたな」と後悔するたびに、もう頑張って死ぬ気でもがかないと、クライアント以前に一緒に制作してるチームにもすごい失礼だなと思うようになって。チームに嫌がられたとしても、やっぱり言うべきことは言わないとな、みたいな。そういう役割を自分が背負わないと、と思いながらやってる感じですかね。

AI時代における「属人性」とは
原: 中川さんって、僕が30歳くらいのときからの同僚で、付き合いとしてはもう20年近くになるんです。当時のWeb制作会社って結構広告系というかスペシャルサイト系が多くて、今よりも「属人性(自分のスタイル)」がないと生き残れない世界だったんですよね。 今のWebはよくも悪くもちょっと平準化したというか、当時よりは「属人性なんてそんなにいらないよ」という世界になってるのかな、と思ってて。
中川: そうですね。今はそれを全面に出すというよりは、自分のうちに秘めて、仕事の中に仕込んでいくっていう意識がめちゃめちゃ大事だと思うんです。じゃないと「前もやったしな, またこのパターンか」って、自分自身が仕事に飽きちゃうんですよ。もちろんクライアントに応じてやれるやれないはあると思うんですけど、「このクライアントさんだったらこういう面白いことを受け入れてくれるんじゃないか」というところだったら、積極的に提案したい。普段から脳みそを柔らかくして、新しい表現とか武器を常に仕込めるように、柔軟に考えられる思考を持てたらいいよなと思ってます。
原: AIがますます発達してきたら、また当時みたいに戻るというか、誰でもできるものって別にわざわざ求めるっけ?みたいな時代になってくのかなってちょっと思ってて。だから、僕のコースでも「自分が好きなものとか、萌えポイントをもっと出せよ」っていうのはすごい意識的に言ってたかもしれない。自分の色を出すとか、一歩踏み込むみたいなことをやると明らかに成長度が高いんですよ。結局、自分が好きかという視点が入ってないと、どうしても気持ちが乗ってないものになりかねなくて。気持ちが乗ってるのと乗ってないのでは、やっぱりね、なんか違うと思うんだよな。

言葉にできない「観点」を他者から盗む
中村校長: 中本さんは実際受講してみて、そのあたりのマインドも含めて回収できたなという感覚はありますか?
中本: そうですね、回収できたと思います。もちろんイベントなどでご挨拶させていただくのもすごく嬉しいんですけど、長期間プロセスを見ていただきながら、様々な視点からのアドバイスをいただいたり、お二人の制作途中の少しかっこ悪い部分まで見せていただけたりする。だからこそ、より深いところを教えていただけたような気がしています。
あと、中川さんのコースはすごく新鮮でした。受講する前は、中川さんのお仕事のイメージから「グラフィカルなアプローチから入るのかな」と勝手に思っていたんです。でも実際は、最初に言葉のキーワード(日本語や英語の組み合わせ)からロジックを組み立てていく、というスタートの切り方をされていて。「あ、言葉から入るんだ」という驚きがありました。さらに、ストックしてある画像の中から、今の案件に合いそうなものを引っ張ってくる「逆算の引き出し」も教えていただいて。「そんなやり方もあるんだ」という、自分には足りなかった視点を学ぶことができました。
中川: そうそう。コンセプトが大事だって先輩から言われたりしたんですけど、当時は「コンセプトってそんな大事なのか? 見た目のインパクトの方が重要でしょ」みたいな謎の反発もあって(笑)。でも結局、やっぱりビジュアルもコンセプトもどっちも大切なんですよね。 先にビジュアルの方向性が頭に浮かんだからそれにコンセプトを肉付けしていくやり方もあれば、逆にコンセプトからやってそこからビジュアルに落とし込んでいくやり方もある。案件ごとにやりやすい方でやればいいんです。
中本: 実際に自分の仕事でも、ちょっと試してみようと思って。今まさに実践中です。
中川: だからこそ、言葉で説明することに関して言うと、最近は結構コンセプトのことばっかり言われてる風潮がすごいあるなと思っていて。まあ、めちゃめちゃそれは分かるし大事なんですけど、「何でもかんでも言葉で語れるのってそこまで大事なのか」っていう感覚がやっぱりあって。 デザイナーでしか分からないその感覚、「これがいい」みたいな感覚ってすごくあるなと思うんです。それを何でもかんでも的確な言葉で表現するのって難しい部分があるし、デザイナーとして、そういう「言葉にできない感覚」を養うことがすごく大切なんじゃないかなっていうのは、最近特に思ってるんですよね。
原: 中川さんの言ったこと、僕もすごい分かるというか。言葉で説明できないところを今回教えられたらいいんだろうなっていうのが、本当のところ理想だったんですよね。「観点を教える」ってそういうことなのかなって。言葉で説明できることは、記事や本に書いてあったりするので。ただ、言葉では説明できないことを教えるのって、やっぱりなかなか難しいっていうのは同時にあるんですけどね。受講する側にも、端々から感じ取ってもらう力が必要かもしれない。
同じお題だからこそ見えてくる、他者の視点と自分の手癖
中本: 「観点を教えていただける」というところは、受講生としてすごく幸運だったなと思ったんです。他の受講生の方々も同じ課題に対してそれぞれの答えを出していく中で、「あ、この観点ってそういうことだったんだ」と、他の方の課題から学べることが本当に多くて。特に、原さんのコースですごく思いました。コース前半では「今日のお題はこれ」って分かりやすく出るので。
原: 条件がまったく一緒なのに「あいつ、やるな…!」っていう人がいたりね。
中本:他の方がどんどん自分の殻を破っていくのを見て、すごく焦るというか(笑)。自分の殻を破りたくて受講しているのに、結局、自分の手癖で戦ってしまうところがあるな、と気づかされたり。そういうときに、初学者の方も含めて、他の受講生の皆さんが素敵な「種」や「萌えポイント」を持っていらっしゃるからこそ、本当に勉強になったし、「あ、こういうところが自分には足りなかったんだな」と感じることがたくさんありました。上のレベルの方がやっていることを見て盗むのもそうだし、いろんな方のやり方を盗めばいい。関係性の違う受講生が周りにたくさんいたからこそ、言葉にはできない「観点」というものを、より深く学べたんだなと思っています。

最前線のフィードバックがもたらす「変化」の面白さ
中村校長: 実際、マスター側としても、受講生が目の前で劇的に変わっていく姿を見るのはどうですか?
中川: いや、めちゃめちゃ嬉しいですよ、やっぱり。「あ、来たな」みたいな瞬間があるとやって良かったなと思いますね(笑)。
原: そうだね。でも、いきなり3ヶ月でドカンとうまくなるケースばかりじゃないから、「最初の加速」だけつけられたら大成功だなと思っていて。少しでも考え方が変わってくれたなら、もうそれだけで成功だよなと思います。
中村校長: 枝葉のスキルだけじゃなくて、根っこの幹の部分に変革を起こすような体験ですよね。
中本: 今後もし2期生の募集があったら、私は絶対に他の方にも受けてほしいです!マスターのお二人のご負担はすごいんだろうなとは思いつつ、最前線で活躍されているお二人に、こんなに色々フィードバックをもらえる機会が、楽しくないわけがないなと思います。第一線で活躍されている方に3ヶ月間もフィードバックをもらえるスクールなんて、本当に他にないので。受講生側からすると、ぜひ続けてほしいです。

中村校長: ありがとうございます。中本さんのその熱量と、前代未聞の同時受講という挑戦が、CREATIVE CLASSに素晴らしい刺激を与えてくれました。今後のご自身のクリエイティブでの大暴れを本当に楽しみにしています!本日はありがとうございました!
まとめ
「CREATIVE CLASS」は、あらかじめ用意された正解をなぞる場所ではありません。中川さんの「言葉から組み立てるロジック」と、原さんの「自分自身の萌えポイントを出していく大喜利」。マスターが変われば、手渡されるクリエイティブの「観点」はガラリと変わります。 そして、マスターだけでなく「そこに誰がいるか」でも学びの内容は変わっていきます。中本さんが「同じお題なのに、他の人の視点を見ることで言葉にできない観点をより深く学べた」と語っていたように、キャリアのあるクリエイターが手癖を捨てて悩む姿や、経験の浅い人が後半にかけて劇的に伸びていく姿が間近で見える環境そのものに、一人では辿り着けない価値があります。
マスターが変わり、集まるメンバーが変われば、クラスの空気も学びの引き出しもその都度新しくなる。だからこそ、どのコースを選んでも、あるいは何度この場所に帰ってきたとしても、その時の自分に必要な新しい気づきが見つかるはずです。
現在募集中のコースについては、CREATIVE CLASSの公式サイトでご確認ください。
