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アジアのデザインを探る・第2弾!台湾のクリエイティブスタジオ10選

iDIDメディア編集部
iDIDメディア編集部
2026.04.18

こんにちは、iDIDメディア編集部です。4月になり、新緑がきれいな季節になってきましたね。新年度がはじまり、なんとなく気持ちも新しくなるこの時期。みなさんいかがお過ごしですか?

さて、「アジアのデザインを探る」シリーズ、第2弾です!前回の韓国編に続き、今回は台湾。フォントやグラフィックの印象が強い台湾ですが、Webやモーションなどのデジタルクリエイティブもかなりアツい。今回はその中からiDID編集部が気になったスタジオを10社ご紹介します。ぜひ最後まで読んでいってください。それでは、どうぞ!

1. JL Design

2007年創業、台湾初のモーションデザインスタジオ。ファウンダーの羅申駿(Johnason Lo)さんは、テレビ局のビジュアルディレクターを経てHBO Asiaに台湾人として初めて参加した、なかなかの経歴の持ち主です。「正しい問いを立て、良い物語を語る」をモットーに、ブランドの核心を掘り下げてから制作に入るのがJL Designのスタイル。問いを立てることから始める、というスタンスが、20年近く第一線に居続ける理由のひとつなのかもしれません。

台湾のアカデミー賞とも言われる金馬奨や、音楽の祭典・金曲奨のビジュアル制作、China Airlinesのブランド映像、近年はLOEWEやSHISEIDOとの仕事も。「台湾らしさ」を映像とデザインで翻訳する力、それがJL Designの真骨頂だと感じます。
JL DESIGN

実績紹介:China Airlines|Corporate Image Video

台湾を代表する航空会社・China Airlinesのブランドイメージ映像。「君とともに、空に咲く」をテーマに、梅の花というブランドアイコンを軸に展開。ブランドカラーの青空のグラデーションに、フライトルートを象徴するラインが重なり、最後に梅の花が浮かび上がる映像は、台湾らしさと国際感を絶妙なバランスで表現しています。一本の映像にとどまらず、SNS用ショート動画11本、サムネイル、バナーまでシステマチックに展開したのもJL Designらしいアプローチです。

2. Bito

「Design Feeling」というフィロソフィーを掲げるBito。感性と技術を切り離さない、というその姿勢が作品を見るとよくわかります。「Design Feeling」という言葉、シンプルなのに深い。理屈より先に体が反応する、そんな感覚が伝わってきます。

台湾観光のリブランディング「WAVES OF WONDER」、パリNuit Blanche(白夜祭)での3Dマッピング、大阪万博のTECH WORLDパビリオンなど、台湾を世界に届ける仕事を続けています。2024年には台湾の大統領革新賞を受賞しています。
Bito

実績紹介:TAIWAN Tourism Rebranding

台湾観光のリブランディングプロジェクト。「WAVES OF WONDER」というコンセプトのもと、台湾の山・海・道路をイメージした波の動きを新ロゴに取り込みました。さらに「TAIWAN SANS」というオリジナルフォントも制作。モーションブランディングシステムまで含めたトータルデザインで、世界に向けた台湾観光の顔を刷新しています。

3. dosomething studio

水墨画専攻出身のファウンダー・王宗欣(Cowper Wang)さんが「アートと商業の境界をなくしたい」と立ち上げたスタジオ。水墨画専攻からデジタルクリエイティブへ、という経歴がすでに面白い。スタジオ名の「Do something different, do something fun」、そのまま仕事のスタイルになっているのが、いいですよね。映画・音楽・テレビ、台湾の三大授賞式「三金」すべての式典ビジュアルを手がけてきた実績が、その存在感を物語っています。

先ほど紹介したBitoとは、2016年台北ユニバーシアードで協働。台湾を代表するアーティスト・aMEIのコンサートデジタル体験、台湾最大のランタンフェスティバル・台湾燈会など、スケールも領域も毎回異なるので、次は何をやってくれるんだろう、と期待してしまいます。
dosomething studio

実績紹介:aMEI Concert Connect to the Metaverse

台湾を代表するアーティスト・aMEIの2022年ASMRワールドツアーに合わせて制作した没入型デジタル体験。コンサートチケット13万枚の保有者全員にNFTを無料配布するという前代未聞の企画で、dosomething studioが没入型のインタラクティブASMRサイトを構築。ファンがサイト上でaMEIの声に導かれながら選択した体験データをもとに、アルゴリズムが個別のNFTをリアルタイムで自動生成するという仕組みです。コンサート×Web3体験の新しい形として、台湾のクリエイティブ界で大きな話題を呼びました。

4. Whitelight Motion(白輻射影像 )

続いては、今年ちょうど10周年を迎えるWhitelight Motionです。ブランディング・フィルム・モーションを横断するスタジオで、Red Dot・iF・香港DFAなど国際的な受賞歴も豊富です。台北映画祭、台北デザイン賞、台湾の公共テレビ局の配信サービス・PTS+のリブランディング、金曲奨と、文化・公共機関の案件も目立ちます。

派手な商業案件だけでなく、文化・公共機関からこれだけ選ばれ続けているということは、それだけ信頼の積み重ねがあるということだと思います。「動き」を起点にしながら、ブランドのビジュアル言語を一から作り上げる。そのこだわりが、作品に出ている気がします。
Whitelight Motion

実績紹介:PTS+ Rebranding

台湾の公共テレビ局・公視(PTS)の動画配信サービス「PTS+」の創立6周年に合わせたリブランディング。「デジタル視野を解読する」をコアコンセプトに、NetflixやAmazon Primeのような商業配信サービスが台頭する中での公共メディアとしての独自ポジションをブランドで表現しています。2024年に台湾を代表するデザイン賞・金点設計獎を受賞しています。

5. Muzixiii Studio

「私たちはデザイナーであり、アーティストであり、ストーリーを創る語り手だ」という言葉が印象的な、3D・モーション・Mixed Mediaを軸とするクリエイティブスタジオ。中国語名「目子拾參」は「目」と「13」の組み合わせ、たぶん「13番目の視点」みたいな意味じゃないかと勝手に想像しています。その名の通り、ちょっと違う視点で物事を見ているような作品が多いような。

Intel・ASUS・Acer・MSIといったテック系ブランドから、Marvel・Disneyといったエンタメ系まで幅広く手がけているのも、このスタジオの守備範囲の広さを物語っています。
Muzixiii Studio

実績紹介:GodPod LTD

東西方の神話や信仰をモチーフに、可愛らしい3Dキャラクターとして昇華したMuzixiii Studio自身のオリジナルプロジェクト。クライアントワークとは一線を画した、スタジオの世界観と3D表現力がダイレクトに伝わる作品です。

6. ULTRACOMBOS(叁式)

次は、2010年の大晦日に創立というだけでなんか気になるチーム、ULTRACOMBOSです。「異なる領域が化学反応を起こすと、非凡な作品が生まれる」という信念のもと、美学・テクノロジー・空間・音響を混ぜ合わせています。

BMW・Google・IKEAといったグローバルブランドの仕事もあれば、Ars Electronica(オーストリア)やTodaysArt(オランダ)などの国際アートフェスへの参加も。アートとビジネスを行き来しながら、独自のスタンスを確立しています。でもやっぱり、大晦日に創立したのにはなにか意味があるのか、気になってしまいます。
ULTRACOMBOS

実績紹介:Post-Anthropocene Poetry

Acerと共同制作した2024年のアートワーク。「人類世(Anthropocene)」をテーマに、滝・氷河・峡谷・泥岩という4つの地景を通じて、テクノロジーと自然・人間の新しい関係を問いかける映像詩です。Acerのサーバーとワークステーションで制作したというのも、ブランドとアートが自然に溶け合っていて面白いです。

7. Block Studio(版塊設計)

ここからはWebデザイン寄りのスタジオを紹介します!「地殻のプレートがぶつかり合い、動き続けることで新しい地形が生まれる」そんなフィロソフィーを掲げ、2015年の創業から10年以上、台湾のWebデザインシーンで確固たる存在感を放っているBlock Studio。

台北・高雄の流行音楽センター、KKBOX、タピオカティーブランド「可不可熟成紅茶」など幅広い実績を持ち、Awwwards・iF・ドイツデザイン賞など国際的な受賞歴も豊富です。ちなみに自社サイトにはしばらく放置するとブルースクリーン風の画面が現れる隠し仕掛けも。ぜひ実際に試してみてください。
Block Studio

実績紹介:蔡依林(ジョリン・ツァイ)公式サイト

台湾を代表するポップアイコン・蔡依林(ジョリン・ツァイ)の公式サイト。アルバム「PLEASURE」の世界観に合わせた深紅と黒を基調としたビジュアルで、ファンが直接アーティストにメッセージを送れる会員システムまで独自で構築しているのが印象的です。

8. ES Design

続いては、2018年創業と今回紹介する中で最も若いES Designです。WebGL・Three.js・GLSLなど、フロントエンドの技術を駆使したインタラクティブWebサイトを得意としています。「良いデザインは考え出すものではなく、話し合いから生まれる」という言葉通り、技術を見せびらかすのではなく、ブランドの核心から出発してデジタル体験を設計するという姿勢が、作品に感じられます。若いスタジオなのに、これだけの技術と哲学を両立しているのが面白いと思います。
ES Design

実績紹介:Future City Tainan

台湾デザイン研究院(TDRI)の依頼で制作した2024年の展覧会プロジェクト。展示設計・インタラクティブデザイン・プログラム開発・施工まで一気通貫で手がけています。オンライン体験版も過去には公開されており、空間とWebの両方で体験できるのがES Designらしいアプローチです。

9. Onion Design Associates(洋蔥設計)

Webデザインが続きましたが、ここからはグラフィック寄りの2社を紹介します。台湾のグラフィックデザインシーンを長年支えてきた、1999年創業のまさに老舗中の老舗のOnion Design Associates。Grammy賞ベストアルバムパッケージ部門に3度ノミネート、金曲奨のアルバムデザイン賞も受賞するなど、その評価は台湾国内にとどまりません。

台湾燈会、金鐘奨、TTXC、ART TAIPEI、Takao Rockと、毎年台湾の主要な文化・音楽イベントのビジュアルを立て続けに手がけており、aboutページずらーっと並ぶ実績リストはとにかく圧巻です。
Onion Design Associates

実績紹介 1:Takao Rock 2024(打狗祭)

高雄流行音楽センターが主催する大型音楽フェスのビジュアル。2022年から毎年Onion Designが担当しており、宇宙から高雄港湾に飛来した小怪獣キャラクターたちが港や船・貨物コンテナなど高雄らしい要素と混じり合う、ポップで独特の世界観が定着しています。

実績紹介 2:2025 ART TAIPEI(台北国際藝術博覧会)

アジア最大級のアートフェア・台北国際藝術博覧会のビジュアルアイデンティティ。こちらもOnion Designが継続的に担当しており、毎年異なるコンセプトで台北のアートシーンを象徴するビジュアルを生み出しています。

10. HOUTH

最後を締めくくるのは、HOUTHです。デザイナーとフォトグラファーがベルリン旅行の刺激を受けて2014年に共同創業。「デザインはスタイルではなく、感情的なビジュアルをつくることで共鳴を生み、価値を伝えるものだ」という言葉通り、ブランド戦略からビジュアルデザインまでを手がけます。ベルリン旅行をきっかけにスタジオを始める、という出発点が、なんともいいですよね。

酒・音楽・舞台・食など、カルチャー色の強いクライアントとの仕事が多く、Tokyo TDC入選、AGI加盟、「It’s Nice That」掲載など、国際的な評価も高まっています。2024年には10周年展覧会を開催しました。
HOUTH

実績紹介:HEYSONG X ESLITE

台湾の老舗サイダーブランド・黒松(HeySong)と誠品書店のコラボパッケージ。「分かち合いたい気持ち」を起点に、花と花瓶のモチーフで2ブランドの精神を表現した4種のボトルデザイン。組み合わせることで4通りのコンビネーションが楽しめる仕掛けも込みで、Behanceでも大きな話題を呼びました。

おわり

以上、台湾のクリエイティブスタジオ10選でした!いかがでしたか?

台湾のクリエイティブシーン、思っていたよりずっと奥が深くて、魯肉飯みたいにシンプルに見えて食べてみたら深い味わいがありました。あれもいいこれもいいと候補をどんどん追加していたら収拾がつかなくなってしまったので、今回は泣く泣く10社に絞りましたが、紹介しきれなかったスタジオがまだまだたくさんあります。

というわけで、台湾編はまだまだ続きます。
次回もお楽しみに!

Credits

Text, Edit:OMIMU(iDIDメディア編集部)

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