目次
1. 貝印のデザイン|KAI DESIGN Dept.

貝印株式会社 デザイン部の特設サイトです。
「切りやすい のは?」→「もちやすい から。」
「何度?」→「あなたに とって そりやすい 角度。」
「ツル ツル?」→「そと は ザラザラ。」
開発したプロダクトを「問い→答え」という絵本的プロセスに落とし込み、ドラッグすることでプロダクトを擬似体験できる。まさに「さわれる絵本」ですね。そしてその後に「だれかのことをおもったら あたらしいかたちにたどりつく。」などの「着地型コピー」に辿り着く。このテンポ感が、プロダクトを楽しく理解できる秘密ですね。
そしてこの絵本的テンポ感によってプロダクトへの愛着が、着地型コピーから貝印のデザインへの理解、共感につながる。見ていて楽しいサイトです。
Client 貝印株式会社
— Website
Creative Direction, Art Direction, Design 林 英和(mount inc.)
Technical Direction, Development 岡部 健二(mount inc.)@kenjiokabe
Design 山﨑 末鈴(mount inc.)@mrnymsk_
渡辺 俊(mount inc.)@ws0606
Development 山下 亜加里(mount inc.)@luce__akr
須多 望(mount inc.)@soundmuta
Produce 吉田 耕(mount inc.)
Project Management, Information Architecture 仲橋 祥子(mount inc.)
Copy Writing 三浦 麻衣(adanda)
–Movie / Photography
Movie Direction 矢吹 誠(Tangram)
Photo / Movie yansu(YOIN inc.)@yansukim
Gaffer 髙橋 謙太
Production Management 濱本 みずほ
Model 高田 静流 @shzr_me
SFX 木藤 遼太
Motion Design 水野 開斗 @mznkyt
Offline Edit 市原 賢治 @kenjikrbc
Online Edit 梅香 悠斗(Ydot)
Retouch 岩沢 美鶴
Prototyping 平井 秀次 @shujihirai
Advisory 山口 将(Ydot)
Movie Produce / Data Management 永倉 政信(Tangram)
Retouch 岩沢 美鶴
Prototyping 平井 秀次 @shujihirai
Advisory 山口 将(Ydot)
Movie Produce / Data Management 永倉 政信(Tangram)
2. NAGAKEN
-www.nagaken.com_-1024x650.png)
建設会社NAGAKENのサイト。サムネイルを見ると分かりますが、全体像がブラウザ画面よりも広く、ドラッグで全体を見ていくスタイル。「新しいことデカデカと」というコピーとともに、従来の枠でおさまらない「度量」や「挑戦」を感じさせるトップページになっています。
そしてこのトップ、よく見ていくと分かるのですが、業務プロセスにおいてかかせない「設計図」に見立てているんですね。それは未来をつくるための計画書でもある。ウェブサイトがブランド・情報伝達の場であるだけでなく、サイトの存在そのもので「NAGAKEN」を表現している。二重の意味を持たせることでよりサイトの強度をより高めている、そう感じたサイトでした。
制作:田渕将吾 @shogoTabuchi
3. COUNTER

コンセプトは「構造化されたカオス」。全体のトーンをコーポレートカラーのオレンジで統一。混沌と規則性のバランスに、クリエイティブとデジタルマーケティングの二軸やっていく会社の姿勢と、挑戦的な息吹を感じます。今回制作を担当したARUTEGAさんのコンセプトマップが公開されているのですが、なんと「よく使う口癖」からキャラクターを作り、トーンとデザイン要件を制定、コンセプトを固めていくといった、ミクロからマクロをかたちづくっていく鮮やかな手法に驚きました。COUNTERさんは埼玉県越谷市を起点に活動している会社で、ミッションは「ローカルから最先端を作る」。ローカル視点を持った会社という点でも、注目していきたい会社ですね。
Project Owner:COUNTER co. ltd.
Project Manager:Shogo Mori @wed_sou (COUNTER)
Creative Director,Design:Makoto Hirao(ARUTEGA)
SEO Director:Kazuya Miyata @webkirin
Director:Yoki Sakamoto @sakamoti3web (ARUTEGA)
Art Director:Norio Ozaki (ARUTEGA)
Dev:Wataru Kojima @k_watuu
4. Positive dream persons

ポジティブドリームパーソンズの採用サイト。鮮やかなブルーを背景に、筆のように力強いオレンジのラインが印象的です。画面いっぱいに記されたメッセージからは情熱的な会社の姿勢が伝わってきますが、ブルーがベースにあるからかクールな「知性」と熱い「情熱」が共存しています。リンク先のアニメーションなど、細やかなところの配慮にも知性が。また、このサイトは採用サイトでありながら、企業のブランドや情報を伝えていくという意味においてはコーポレートサイトとしても成立しているように思いました。チャレンジングなことができるコーポレートサイト、という位置付けで採用サイトを捉えてみるとまた面白いかもしれませんね。
Client: Positive dream persons Inc.
Account Exective: Takuma Kato @addsugar_takuma
Producer: Tamami Maekawa @tamachan_sb
Project Manager: Kazuyo Miyagawa
Planner, Copy Writer: Wataru Urakawa
Art Director, Designer: Tetsu Yamakami
Assistant Planner:Masafumi Hirouchi
Designer: Hirofumi Nakagawa(ANDMADE Inc.)@_HN_
Front-end Developer: Tomoya Takahashi(Orunica Inc.)
Assistant Director: Yuki Imamura(NORISHIRO WORKS)@yuki_mochico
5. 元祖大阪みたらしだんご

「元祖大阪みたらしだんご」のブランドサイト。サイトのファーストビューを「商品パッケージ」に見立てており、現物を見かけたときにすぐ分かるようになっていますね。そしてこのFVですでに色々な仕掛けが施されています。このサイトも「貝印のブランドサイト」とは別の方法論で、「元祖大阪みたらしだんご」の絵本を読んでいるような体験性があるんです。おだんごを食べて→おだんごが大きくなって→商品説明がはじまるところや、商品箱を開けてアレンジレシピがはじまるところ。ところどころで活躍している「みたらしたれ次郎」や、商品のホバーの見せ方にもフックがありますね。スタンプも楽しい。サイト全体のストーリーが考え抜かれたサイトだと感じました。
Director, Photographer / 細尾正行 @masayukihosoo
Designer, Illustration/米田愛 @yoneda_spicato, 田中美帆 @hoimi_spicato Front-end Developer / 鍋谷 真菜香 @nabe_spicato
6. 勅使川原真衣 オフィシャルサイト

「いい感じでやな感じ」をテーマにつくられたという、勅使河原麻衣さんのサイト。MVでは文字がうようよ動き、不思議なキャラクターは眼をぎょろぎょろ。うようよ文字には勅使河原さんという人を知るためのキーワードが。面白いのは「能力主義」「組織開発支援」「学歴社会」など、文字面だけ見るとやや重めに感じてしまうワードに対して、サイトはポップに振り切っているところです(文字は明朝体にすることでバランスを取っている)。そうすることで、前述のワードだけでは窺い知れない勅使河原さんの「ポップな一面」が感じ取れる(私はラジオを聴いていてそう感じました)。「社会性」と「人間性」、ふたつでひとつの人間であることを表現したサイトですね。
著者:勅使川原真衣
企画・制作:Eat, Play, Sleep inc.
CD・編集:堤大樹
Webデザイン・実装:岡本昌太(TARROWS)
7. Haneda Nice Day

訪れる人々へ、「今日が素敵な一日になりますように」という思いを込めて制作された「Haneda Nice Day」。三つのターミナル各所にある「働く人たちの心遣い」「気持ちいい瞬間」を体験できるようになっているのですが、注目したいのは、極めて文字情報が少ないこと。気持ちのいい日って言葉では語れなくて、もっと澄んだ空気とか、青い空とか、遠くから聞こえる物音などから感じ取れたりしますよね。このサイトではその「なんとなくの心地よさ」がサイト全体を包んでいる。そこがまさに空港を訪れたときの「あの雰囲気」を出しているように感じました。訪れるだけで気分が軽やかになるサイトです。
制作:日本デザインセンター
Creative Direction: 磯目 健、吉田貴成
Art Direction: 吉田貴成
Copywriting: 磯目 健、深澤 冠、内田咲希
Graphic Design: コプフ賢、加藤 瞳
Motion Design: 藤田侑己
Web Design: 藤田侑己
Web Direction: 小高阿羅漢
Photography, Movie: 岡庭璃子
Music: Heima(佐藤教之+佐藤牧子)*
Sound Engineering: 堀 修生(自在音響)*
Produce: 渡辺令法、今田早紀、小高阿羅漢(Web/Movie)、糸木ペンネ(Movie)*
*社外
8. 笑顔が続く美容室 らふる

美容室「らふる」のサイト。特徴的だと感じたのは、旅や写真といった「らるふスタッフ各々の嗜好性」がウェブサイトに反映されているところ。ブランドイメージをかたちにするにあたって、スタッフさんの趣味嗜好の交差するぼんやりとしたかたちを「らるふ」と位置づけている。
かたちづくられた器ではなく、器自体が変化していくことも厭わない自然体、それがらるふの目指すオーセンティック(本質を追求する姿勢)だと解釈しました。その姿勢を体現するものとして、アーティストである進士三紗さんのペインティングがメインビジュアルに起用しています。
コンテンツもコンセプトの説明の前に「スタッフの鼎談」からはじまっており、まさにスタッフ個人のカラーが美容室をかたちづくっていく「らるふ」ならではのサイトに仕上がっていますね。
プロデューサー:菅原理之
クリエイティブディレクション:堤大樹 (Eat, Play, Sleep inc.)
デザイン・STUDIO実装:山本洋平 (Eat, Play, Sleep inc.)
メインビジュアル:進士三紗
9. シャーメゾン|積水ハウスの賃貸住宅

積水ハウスの賃貸住宅「シャーメゾン」のサイト。物件検索サイトとしての機能性と、ブランドの価値をどう伝えていくかの両立を目指したということで、MVおよび「おすすめ物件」ではシャーメゾンの物件ビジュアル、「シャーメゾンの特性」や「ライフスタイル別のシリーズ」でブランドの価値が伝わるようになっています。機能面とブランド面が明快に分かれていて分かりやすいですね。
物件検索も検索軸がクリアにかつ「らしさ」あるものにリニューアルされており、クリエイティブディレクター阿部さんの「自社以外の物件を探せる物件検索サイトとは似て異なる情報設計やデザイン、回遊性を持たなければならない」というコメントにも膝を打ちました。
以下、サイトの提案からローンチまでのプロセスを担当ディレクターの田口冬菜さんが記事にされてます。「物件一覧の墓場」からもこのプロジェクトが大変だけど、達成感の大きいものであったことが伺えました。
【シャーメゾン】ブランド・物件検索サイトをどう両立させるか?2つの機能を兼ね備えたサイトリニューアルの裏側 | necco Note | necco inc.(ネッコ)2025年8月、1年がかりでお手伝いしてきた「シャーメゾン(ShaMaison)」のブランド・物件検索サイトがフルリニューnecco.inc
Credit Client:積水ハウス不動産ホールディングス株式会社
Creative Direction:阿部 文人
Direction / Contents Design:田口 冬菜・阿部 文人・上遠野 智衿(積水ハウス不動産ホールディングス株式会社)
Web Design:今 聖菜・中川 小雪・龍神 菜緒・阿部 文人・田口 冬菜
Assistant Web Design:安達 友香・福井 珠李・八田 誠太朗・夏目 知佳
Search UI Design:中川 小雪・阿部 文人・田口 冬菜
Icon Design:龍神 菜緒・安達 友香・福井 珠李・八田 誠太朗・夏目 知佳
Web Development(Rtoaster):佐藤 あゆみ・髙木 菜美
Frontend & Backend Development:transcosmos inc.
Web Design(About ShaMaison):Wab Design INC.
10. sukima

「あなたの人生の隙間に笑顔を届けます」というキャッチコピーが印象的なsukimaさんのコーポレートサイト。「ポートフォリオサイトっぽいコーポレートサイト」という絶妙な塩梅が面白い。制作を担当したZIZOさんの説明によると「作品メインではないMVにすることで、差別化したかった」とのことで、なるほどだからなのかと合点がいきました。
そしてキャッチコピーが「あなたの人生の隙間に笑顔を届けます」ということで、あらゆる「隙間」から監督の住田さんが出てくる(笑)。このゆるさから、住田さんおよびsumikaがつくるものが見えてくるように感じました。
Client: sukima @tokyo_sukima
Creative Director: Munenori Nakashima @mune_zizo
Director: Kyoko Imani Art Director, Designer: Satoshi Tajima(CLAAAY)
@tajima_satoshi
Developer: UTSUBO @utsuboco
Illustrator: Whosming
おわりです!
2025年11月の気になるサイトまとめ、いかがでしたでしょうか。今月も、どのサイトも面白かったです!
・「絵本の伝え方」をヒントにサイトにおける体験性を追求した「貝印のデザイン」と「元祖大阪みたらしだんご」。
・情報伝達よりも現場の空気感を伝えることに重きを置いていた「Haneda Nice Day」。
・担当者さんの「口癖」またはスタッフの趣味嗜好など、ミクロな発見からかたちをつくっていった「COUNTER」と「らふる」。
・サイトの意味性を二重にすることで、サイトの強度を感じさせた「NAGAKEN」。
などが印象に残りました。みなさんはどうでしたか?
さてさて、気になるサイトですが、今年はこれで終わりになります。この記事、せっかくなので年間まとめをやってみたいです。
そんなわけで、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、来月。いや、来年お目にかかりましょう。
iDIDメディア編集部でした!
